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NV45 in teak by Finn Juhl,Model 309 sideboard by Peter Hvidt & Orla Mølgaard Nielsen,F1 desk chair by Willy Van Der Meeren, Model 51 chair oak & cane by Arne Vodder, Wire chair by F.H. Fiedeldij,Low tambour doors sideboard in teak by Kai Kristiansen, Balloon chair by Hans Olsen, CB01 combex series cabinet by Cees Braakman, Kidney small side table,Sideboard in oak…他
NV45 in teak by Finn Juhl
フィン・ユール作品の極意ともいえる美しく磨きぬかれた曲線美、使い手の胸懐を映し出すかのように和やかに見えたり思慮深そうに見えたり。この作家が世に送り出した作品は、年月が経つにつれ、日常の中で味わいを増しながら作品自ら物語を綴っていくという特徴がある。また、醸し出す空気感には新奇な光景が含まれる。非凡な椅子に人生を投影したくなる興趣尽きない作品である。
Model 309 sideboard by Peter Hvidt & Orla Mølgaard Nielsen
「なんという禅味な美しさだろう」作品と出会った瞬間 思わず息をのんで感嘆した。同時に、作家から絶大な信頼を得ていたであろう腕利き職人の芸術とも言える高い技術に悉く見惚れてしまった。ピーター・ビットとオルラ・ムルガード・ニールセンが描いた家具デザインにおける精緻の極限、美の追求を至るところに鏤めて存在している。家具の領域に収めるには忍びない造形美である。
F1 desk chair by Willy Van Der Meeren
突如アートへの回路が開き思いがけず突進、今まで知らなかった世界が目の前に現れる。椅子という形状に収まった表現物は、ヴァンダ・ミーレンの感性を噴出させて存在している。一線を画す色合いも特徴的だ。流れていく束の間の日々だが、時には立ち止まって時代とともに移りゆくデザインへ想いを馳せるのもいいものである。突進して得たアートの破片は今後の人生を有意義にしてくれるはずだ。
Model 51 chair oak & cane by Arne Vodder
オーク×籐の均整についつい見惚れる作品です。兎角この時代においてはよくある組み合わせですが、しかしながらアルネ・ヴォッダー独特の美学による融和的形状と微妙な角度表現で圧倒的な魅力を羽ばたかせています。有機的な印象を受けるのは、「自然美からインスパイアされていた」という記述の表れでしょう。素材と形状が共鳴し合う姿を存分に味わっていただきたい、そう願っています。
Wire chair by F.H. Fiedeldij
ヴィンテージワイヤーチェアが生み出した当時の多角的世界観は非常に鋭く興味深い。ミッドセンチュリーに育まれたモダンデザインの感触を一手に担う節があるように思う。素材が想起させる真っ直ぐなイメージに、比類無き感性が加わり、このような面白い形状がデザインとして成り立った。「想像に訴えかける要素」が内在し、ついつい吸い込まれるのだ。現代アートと生活必需品の境界を曖昧にした魅力は計り知れない。時代の鬱憤を解き放ちながら人々が求める心の換気をも促し続けている。
Low tambour doors sideboard in teak by Kai Kristiansen
なんという美しさだろうか。醸し出す印象は壮麗でどこか詩情的、眺めると呼吸がゆっくりになっていく。物事を思慮深くさせる作品だ。悠然と構えた真っ直ぐな線、勢いが失われず生きたままの杢目、神秘を纏う奥まり、感覚が研ぎ澄まされる美しさだ。どんな場所に落ち着くことになるのか、今これを書きながらそちらに重きを置く自分がいる。実際にご覧いただきたいカイ・クリスチャンセンの傑作である。
Balloon chair by Hans Olsen
チーク材×メタル× スウェードで構成された極めてユニークなつくり。傑作が日常の中で冴え渡る個性を放つ姿は非常に印象的。ハンス・オルセンデザインは、イノベータだけが見ている世界を惜しげもなく形状に落とし込む。それはまるで降り注ぐアイデアの乱舞を見ているようで触発される。使い手は窮屈だっだ思考が羽ばたいていくのを実感するだろう。
CB01 combex series cabinet by Cees Braakman
良質素材が持っている独特の価値を最大限引き出すことに労力を惜しまない。鋭い感性で線を引き、作品の奥底にまで日頃の洞察を降り注ぐ。ブラークマン作品を目にすると、出会えた喜びが溢れ出す。この作家特有の知性、モダニズムへの合理的目線、構造美への追求、様々な心得を形状が語り尽くす。非常に貴重な作品である。
Kidney small side table
目に飛び込む杢目の凛々しさが感興をそそる作品。触れると反応が返ってきそうな美しい天然素材と鋭い感性のコラボ。小ぶりだが、その作りは非常に繊細で丁寧、遍く手がかけられている。70年の年月をどのように過ごしてきたのか、時代の移り変わりとともに刻んだ趣は使い手に温雅な道筋を見せるだろう。
Sideboard in oak
素材の持つアビリティが形状にすっぽりと収まった。誰にも邪魔されずに伸び伸び育った天然樹木が、その天真爛漫さを見事に生かしきって具現化している。デザインの才幹と使い手に向けた懇到が作品に秘められ、経年美と共に佇む。どんな時も風合いを感じさせるのは、手を掛けられ熟考を繰り返して作られているから。今では出せない「味」が漂っている。