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*Model FD133 spade chair in teak by Finn Juhl,Sideboard in oak by Poul Hundevad,GM11 Armchair in oak by Svend Åge Eriksen,J39 Shaker chair in oak by Børge Mogensen,Round dining table in rosewood by Poul M. Volther,Model KK1 dining chair by Kay Kørbing,Model KK1 dining chair by Kay Kørbing,Model 317 Armchair by Peter Hvidt & Orla Mølgaard Nielsen,A circular dining table & set of four “Ant chairs” in rosewood by Arne Jacobsen,Armchair in Brazilian rosewood by Ole Wanscher,Swedish shell lounge chair…他
Model FD133 spade chair in teak by Finn Juhlb
世界中の家具ファンを唸らせ続けて久しい巨匠フィン・ユール作品。果実の実りを
感じさせる印象的なフォルムは、作家の哲学思想を表しているかのようだ。また、
優雅な座り心地には時代を飛び越えた美学的要素が詰まっている。横から見た背面
の形状、角度、湾曲したアームの美しさなど感覚が研ぎ澄まされているのが見て取
れる。透徹した芸術性は独特の妙、非の打ちどころのないアートピースである。
(New leather)
Sideboard in oak by Poul Hundevad
上品な印書を放つ鮮やかな作品。収納の配置が美しく整う様は見ていて気持ちが
良い。抽斗がスーッと手前に引き出される塩梅に作り手のこだわりが感じられる。
痒いところに手が届く気の利いたユーザー目線は、とびきりの愛着を生む。目的
に応じてしっかり役目を果たしてくれる頼りになるサイドボードだ。
GM11 Armchair in oak by Svend Åge Eriksen
座り心地を徹底的に追求した椅子、そんな印象だ。座った途端一気にくつろぎモ
ードへ。緩やかな背もたれの斜傾が心地よく、限りあるはずの座面スペースを全
く感じさせない。前脚へと繋がるアームレストは数センチ突出した形状で手の感
覚を操る。この感触が、椅子との一体感を促す効果があって面白い。体の巡りも
心の巡りも確り安定させてくれるアームチェアだ。このサイズ感ゆえ、ダイニン
グチェアやデスクチェアにもうってつけ、素敵な椅子だ。(new fabric)
J39 Shaker chair in oak by Børge Mogensen
1947年モーエンセンによってデザインされた「J39 Shaker chair」、発表されてか
ら75年が経過した。椅子から感じ取れる落ち着いた風合いは、まるで心を整え
てくれそうな印象を与える。肩の力を抜いて自分らしく進むことを後押ししてく
れているように感じるのだ。モーエンセンの作品には、暖かくてゆったりとした
木の葉が揺れているような優しさがある。惹かれる人が多いのも合点がいく。
Round dining table in rosewood by Poul M. Volther
シンプルな造形も大自然が生んだ複層美を用いることで、これほど神がかり的な
印象になるのかと、素直に驚いてしまう作品だ。みなぎる生命力がしっかりと宿
り、並々ならぬ美しさを放つ。エクストラリーフを加えた際の圧倒的な存在感も
必見だ。卓越した作家の感性が見事に生かされた惹きこまれずにはおれない作品
である。
Model KK1 dining chair by Kay Kørbing
豊かな感性がたっぷりと注ぎ込まれ軽妙に佇む姿が非常に愉快。この椅子を構成
している要素はまさしく作家の好奇心だ。当時、工業素材として瞬く間に広がっ
たファイバーグラスが斬新な形状に姿を変えた時、それまで主流だった素材との
異を作家が挙って深掘りを試みた。レザー、スチールとの組み合わせも然り、椅
子が空間を一手に担い風景を手中に収めている場面が想像できる。Kay Kørbing
の残した作品には、画して存在に深みとユーモアが混ざり合う。
Model 317 Armchair by Peter Hvidt & Orla Mølgaard Nielse
アームを支える1本の線が座面下の貫部分まで美しく辿り着いている。その様子
が非常に詩的、そこには確りとペーター・ヴィッツの美学が宿っていて、多様な
アイデアを形状に落とし込む巧みな手腕が伺える。積み上げてきた錬金技術を存
分に作品に収めているのだ。追求することへの醍醐味、そこから得られる想像以
上の成果、この作家の造形美は格別な派生現象を楽しませてくれる。
(いわずもがな背凭れも必見です!)
A circular dining table & set of four “Ant chairs” in rosewood by Arne Jacobsen
身の回りにある形状と色彩で、人生が豊かになることを教えてくれるアルネヤコブ
セン作品。ちょっとした日々の出来事や周りの人たちとの価値の共有がとても尊い
ものに感じられてくる。ものを選ぶ目が培われていく過程を愛しくさせるデザイナ
ーなのだ。この作品の特徴といえばむろん流石の素晴らしいデザインだが、注目し
ていただきたいのは、そのほとんどがローズウッドでできているという希少な試み。
肩の力を抜かせてくれる愛らしいアリンコフォルムと、素材が放つ典雅な印象が作
品の風韻を波紋へと導く。自分自身の感懐とゆっくり向き合いたくなる逸品なのだ。
AP43 lounge chair by Hans J. Wegner
大人になってから良さがわかる深みを帯びたグレー色、ファブリックを新調する
際、そちらのグレーにブラックで縁を描いてみた。平面と角が織り成す濁りない
顔がグッと引き締まったのではないだろうか。ものの見方に発見をもたらすウェ
グナー作品において、配色云々とはおこがましいが、この色合いは「光や影に
よる風景の合作」をより際立たせるように思う。脚の細い線にはスチールを採
用、微妙に表情をつけなが悠々と支える。60年前に作られた作品だが、目新
しく写るのは、独特の感性で思考を揉みほぐすウェグナー現象と言えるだろう。
(New fabric)
Armchair in Brazilian rosewood by Ole Wanscher
まさに存在の美、凛々しく佇む並外れた品性に驚かされる。細い線においても
十分に強度が保たれるよう、肘置きが座面下まで手を差し伸べている設計に。
後ろ姿の美しさも必見、高い技術さながらの輪郭だ。ヴァンシャーが描く深い
線は、季節の流れに同調し木の瑞々しさに威厳を潜ませる。まるで別世界
へいざなうように出来ている。
(こちらの作品は、良質レザーにて座面を新調しております)
Swedish shell lounge chair
きれいな円状のデザインに、ちょこんと飛び出したチークの肘置きが効いている。
作家と職人の力量が見て取れる作品だ。 居心地の良い空間を確保した時、僕たち
の心は落ち着き、しなやかな思考に向かって羽を広げる。椅子は想像以上に日常
に影響を与えているのだ。豊かな言葉や仕草にも形状が影響している。このラウ
ンジチェアがもたらす秘儀の作用をぜひご堪能いただきたい。